育成イベント 共通 「軸線上のミラクル」
ネオユニヴァースが時々見せる、 驚異の察知能力。 それについては依然、謎のままだった……。 |
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だが、それはそれとして 日々の経験は積ませなければならない。 そう“レースに出す”ことだけではなく……。 |
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選択肢 | ユニヴァース、『菊花賞』を見にいこうか |
“レースを観させる”ことも大事な仕事。 どうせ観させるなら、 現地で楽しく観戦させてあげたかった。 |
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ネオユニヴァース | 『菊花賞』…… クラシック三冠の最後……。 |
ネオユニヴァース | ひとつ『先輩』の“締めくくり”だね……。 |
選択肢 | ああ、きっと勉強になるから! |
ネオユニヴァース | トレーナー、ネオユニヴァースは言うよ。 『ありがとう」を。 |
ネオユニヴァース | とても“GENY”……。瞳は“慈愛”で……。 |
ネオユニヴァース | ――感じる。 この……優しさは……。 |
ネオユニヴァース | ……“既知”? |
ネオユニヴァース | いつか……あなたは……。 |
選択肢 | ……? |
ネオユニヴァース | まだ……“LYBL”……。 |
こうして京都レース場へと出かけた。 と、そこには―― |
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ゼンノロブロイ | あ、ユニさん! トレーナーさん! いらしていたんですね。 |
ゼンノロブロイ | 見てください! 幾多の戦場に名を刻んできた、 今年の英雄たちが勢そろいですつ。 |
ゼンノロブロイは熱視線を パドックに送っていた。 |
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ゼンノロブロイ | ますなんといっても注目は1番人気…… 6番の娘ですよね。皐月賞ウマ娘ですし! |
ゼンノロブロイ | 並び立つのは18番のウマ娘。 あとは……。 |
ネオユニヴァース | 皐月賞ウマ娘…… あの……個体は……。 |
ネオユニヴァース | 勝てない……かもしれないね。 |
ゼンノロブロイ | えっ……勝てない? 距離が長すぎるということですか? |
ネオユニヴァース | 距離……。それ以前に 大きな隔壁が……。 |
ネオユニヴァース | ――“ローンチ·フェイリァ”。 |
“ローンチ·フェイリァ”。 どういう意味だろうか? |
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ネオユニヴァース | このレースは“磁気嵐”の中にある。 “航行できない”中、抜けてくるのは―― |
ネオユニヴァース | あの――ウマ娘。 |
そう言って、ネオユニヴァースが 指差したのは……。 |
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ヒシミラクル | あ~、めっちゃ緊張する~。 GIなんて、これが初めてだもんね~。 |
ヒシミラクル | ど、どぉも!ヒシミラクルです~。 知らない?知らないですよね~……。 |
ヒシミラクル | 自己紹介すると~…… あれ、紹介ポイントがないや。 |
ヒシミラクル | まあ誰より普通が売り?といいますか~。 |
ゼンノロブロイ | え……ヒシミラクルさんですか? |
ヒシミラクル | いや~デビューから9連敗だったし、初めて 重賞に出た前走も、ぜんぜんかなわなくて。 |
ヒシミラクル | でも、期待された分だけは応えたいってか。 へへつ……。 |
――ヒシミラクル。 世間の評判は……ごくごく普通のウマ娘。 |
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このレースでの人気も、 掲示板に載れればミラクルという程度だ。 |
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そのウマ娘が勝つことができるだろうか? いくらなんでも『菊花賞』で……。 |
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ゼンノロブロイ | トレーナーさん、まさか……。 |
ありえないと言いたかった。 いや、レースではなんでも起こりうる。 だが……。 |
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――事前にわかるわけがない。 ネオユニヴァースが、ちょっと 変わっているだけの普通のウマ娘なら。 |
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こうして決戦の幕は上がった。 その直後―― |
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(ウオオオオオオオオオオオッ!?) | |
実況 | おおっと!皐月賞ウマ娘! スタート直後にまさかのトラブル! |
実況 | 競走中止により、レースは波乱の展開! そしてゴール前、抜け出したのは―― |
ヒシミラクル | え、ええっ、やった~~~! わたしが菊花賞ウマ娘に!ほわあ~!! |
ヒシミラクル | でもクタクタ~……。ぜえぜえ…… 目の前がぐるぐる~。誰かお水~。 |
実況 | ヒシミラクル!ヒシミラクルです! 10番人気から、まさかの激走! 奇跡の勝利をおさめました! |
ゼンノロブロイ | ……!? トレーナー……さん……。 |
ゼンノロブロイ | ヒシミラクルさん、勝っちゃいました……。 それに皐月賞ウマ娘は、 レース直後のトラブルで……。 |
ゼンノロブロイ | ユニさん……あなたは……。 |
選択肢 | ユニヴァース、どうして…… |
もはや疑いの余地はない。 ネオユニヴァースは―― |
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選択肢 | 未来が予測できるのか? |
その異常な知性の高さにより、目に見える 情報から、未来を推測できるのかもしれない。 |
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超能力ではないとしても、 本当にそんなことができるのだとしたら……。 |
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ネオユニヴァース | ――“既知”。 |
選択肢 | え? |
ネオユニヴァース | ――“既知”。このビジョンは。 “ANOI”……。 |
ネオユニヴァース | 『あなた』……は……。 |
そう言ったきり、ネオユニヴァースは 黙ってしまう。 |
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高い知性による洞察能力……。 その恐ろしさを目の当たりにした 『菊花賞』だった。 |