育成イベント 共通 「高まる理解、深まる謎」
――日進月歩。ジリジリと進む、 ネオユニヴァースとの同調。 |
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トレーニング中、彼女が発するシグナルの 意味も、徐々に理解できるようになってきた。 |
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ネオユニヴァース | トレー……ナー……もう走れない……。 “ハイパーゴリック推進剤”に支障……。 |
推進剤はつまり……燃料。 脚が動かないなら 体作りの成分ではなく……。 |
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選択肢 | 即効性の栄養ドリンクを飲もう |
ネオユニヴァース | トレーナー“エマージェンシー”だよ。 駆動部の“シリカガラス”が……。 |
駆動部ということは……関節。 そこの耐熱素材が熱を帯びているなら……。 |
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選択肢 | じゃあ、すぐにアイシングを! |
軽度な時と重度な時。 その違いもだいぶわかるようになった。 |
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そして理解度が上がることで、 よりハッキリしたのは……。 |
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ネオユニヴァース | トレーナー、ネオユニヴァースは推奨するよ。 冷却から加熱への転換を。 |
ネオユニヴァース | “重力圈”は過ぎた…… これ以上の冷却は、固着につながるから。 |
どうやら、これ以上冷やす必要はなさそうだ。 加熱、すなわち熱するのではなく……。 |
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選択肢 | わかった。温熱療法に切り替えよう |
ハッキリしたのは、彼女の“聡明さ”だ。 言葉は難解だが、分析は常に正しかった。 |
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その知性は、まさに恐るべき高さ。 だが……少し妙なこともあった。 |
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ネオユニヴァース | ゼロ、イチ……ゼロ、イチ……。 |
ゼンノロブロイ | ユニさん?えっと…… 何の運動をしているのでしょう? |
ゼンノロブロイ | かなり変わった動きに見えますけど……。 そのストレッチには、どういう効果が……。 |
ネオユニヴァース | ネオユニヴァースは“姿勢制御”をするよ。 |
ネオユニヴァース | 後傾の癖は……“DEDU”になるから。 つまりは“抜本的に”だね。 |
選択肢 | ――!? |
ここのところ、タイムの伸びがよくなかった。 『後傾』という言葉に、なるほどと思った。 重心が原因……。 |
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だがトレーナーの自分でも読み解けなかった 深い理由に、どうしてネオユニヴァースは 気づけたのだろうか。 |
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ゼンノロブロイ | そうなんですねっ。さすがはユニさん! |
ゼンノロブロイ | 私もユニさんに負けないよう、努力します! そろそろメイクデビューですし。 |
ネオユニヴァース | メイクデビュー……それは……。 |
ネオユニヴァース | ――ネガティブ。 |
ゼンノロブロイ | え、ユニさん? ネガティブって……。 |
ネオユニヴァース | ――“懸念”するよ。 射出には時間が……。 |
ネオユニヴァース | とくに最初のローンチ。 ゼンノロブロイ、あなたは―― |
ネオユニヴァース | “エクスクルージョン”されるかも、ね。 |
ゼンノロブロイ | エクス、クルージョン……? |
――その数日後。 | |
ゼンノロブロイ | えっ?係員さん、“出走できない”って どういうことでしょう? |
URA係員 | このレースは出走登録者が多くてね。 抽選の結果、あなたが除外になったの。 |
URA係員 | 大変申し訳ないんだけど、 また申し込んでくれる? |
ゼンノロブロイ | そんな……。どうにか『メイクデビュー』をって 必死に準備してきたのに……。 |
ゼンノロブロイ | 今の体で、また一から仕切り直しなんて……。 |
URA係員 | もしかして、まだ成長途上なのに、 デビューを急いでるのかしら。 だったら……。 |
URA係員 | あまり慌てないほうがいいわよ。 トウインクル·シリーズは 予定通りにいかないことも多いから。 |
ゼンノロブロイ | でも……早くユニさんに 追いつきたいのに……。 |
ネオユニヴァース | ゼンノロブロイ、ネオユニヴァースも―― 『急がない』を推奨……。 無理は見えていた……。 |
ネオユニヴァース | ネオユニヴァースは……『心配』。 急がなくても将来は “フラマウロ”の近くに着けるから。 |
ゼンノロブロイ | ユニさん……。 |
ネオユニヴァースは、ゼンノロブロイが 無理をしていることに気づいていた。 よく併走するからかもしれない。だが……。 |
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気づけるはずのないこともあった。 それは―― |
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ネオユニヴァース | “エクスクルージョン”されるかも、ね。 |
ゼンノロブロイ | エクス、クルージョン……? |
――『出走不可』。 多人数が申し込むことによる抽選漏れを、 どうやって察したのだろう。 |
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あるいはウマ娘たちの動向を 掴んでいたのかもしれない。だが……。 |
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選択肢 | ユニヴァース、どうして……? |
ネオユニヴァース | ――? |
選択肢 | どうしてわかったんだ、出走できないことが |
ネオユニヴァース | どうし……て……? どうし……。 |
ネオユニヴァース | うう……。 |
ゼンノロブロイ | ユニさん……?大丈夫ですか? |
ネオユニヴァース | 大丈……夫……。少し、あるね。 “偏頭痛”が……。 |
理解できるようになったことは多い。 だが同時に、理解できない謎も 増えていく……。 |
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小さなパラドックスを抱えたまま、 ネオユニヴァースとの日々は続くのだった。 |