ウマ娘A |
えぇと……言ってることがよくわからないんだけど、つまり~……。 |
ウマ娘A |
あなたも『模擬レースに参加したい』ってこと? |
ネオユニヴァース |
アファーマティブ。――そう。 |
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模擬レースへの参加を表明するネオユニヴァース。と……。 |
中堅トレーナーA |
誰、あの子? ウマ娘……よね?でも服装が……。 |
中堅トレーナーB |
ああ、ジャージじゃないし、顔も見たことないな。それになんか雰囲気も……。 |
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どうも不審がられているようだ。自分が話した限り、ネオユニヴァースは危険な少女ではないが……。 |
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果たしてどんな走りをするのか。波乱の予感と共に、ゲートは開いた。 |
ネオユニヴァース |
スタートは……ネガティブ。“サテライト”に取り囲まれている……。前方に3、側方、後方に各2……。 |
ネオユニヴァース |
現況は『詰んでいる』ね。離脱はできる……。でも……。 |
ネオユニヴァース |
今は『不要』。慣性のまま、ただ流れに乗って―― |
中堅トレーナーB |
ヘー、動かないのか。普通は少しでもいい位置を取ろうと、ジタバタするもんだけど……。 |
中堅トレーナーA |
落ち着いたレースさばきね。本当にデビュー前のウマ娘なの? |
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あえて余計な動きをしないレース巧者ぶり。どうやらネオユニヴァースの知性は、飛び抜けて高いようだ。 |
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そして――最終直線。 |
ネオユニヴァース |
これは……? “アルタイの断崖”……。どこにも出られない……。 |
中堅トレーナーB |
おいおい……最悪の展開だぞ。第4コーナーを回っても、囲まれたままなんて。 |
中堅トレーナーA |
ええ、前が完全に壁になってる。これじゃ抜け出しようが……。 |
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完全に進路を失ってしまったネオユニヴァース。このままでは惨敗は確実だが―― |
ネオユニヴァース |
このインシデントは――“既知”。ネオユニヴァースは……前にも観た。 |
ネオユニヴァース |
スターフルイド……。物質は常に“流動する”。だから……。 |
ネオユニヴァース |
ふっ……! |
中堅トレーナーA |
ええええ、消えた!? |
選択肢 |
――!? |
中堅トレーナーB |
一体どこに!? |
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ネオユニヴァースは一瞬、姿をくらましたように見えた。そして―― |
ネオユニヴァース |
ふっ……!! |
ウマ娘出走者A |
ええっ!? あの狭い間を抜けてきたの!? |
ウマ娘出走者B |
ウソでしょ……。なに、この子の走り……!? |
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遠目にだが、まるで空間転移したように見えた。いや、もしかしたら本当に―― |
中堅トレーナーB |
おいおい、あの子……。今なんか、おかしくなかったか? |
中堅トレーナーA |
ええ……どこをどう通ったのか……。後でいろいろ聞きたいわ……。 |
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完全に興味を引きつけてしまったようだ。しかも……悪い方向に。 |
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にわかに周囲がざわめき立つ。翌喉は、不穏などよめきへと変わった。 |
ネオユニヴァース |
ふう~……『最先着』だね。アタマ差……。 |
ネオユニヴァース |
言葉では……通じ合えない……。でも……。 |
ネオユニヴァース |
“ランデブー”。走れば、わかり合える……。並べば意識は“コネクト”し、想いは共有できる。 |
ネオユニヴァース |
このつながりが、ネオユニヴァースを……。 |
ウマ娘出走者A |
ねえ、そこのあなた。ちょっといい?勝ったのはすごいけど……最後の直線、少しヘンじゃなかった? |
ウマ娘出走者B |
だよね。まるで……ワープでもしたみたい。そんなはずない。ないけど……もしかしたらシューズに細工とか……。 |
競技委員 |
悪いけど、少し検査させてもらえるかな?模擬レースとはいえ、もし何らかのレギュレーション違反があるなら……。 |
ネオユニヴァース |
周りに『ヒト』が……。これは……引力?ネオユニヴァースは様々な“エグジスタンス”を引きつけて……。 |
ネオユニヴァース |
でも、このつながりは……喜びを“想起”させない。“ABSS”……。 |
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大勢に囲まれ、かすかに怯えるネオユニヴァース。もしこのまま連れていかれたら……。 |
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きっとあれこれ調べられるだろう。その結果、彼女について何かがわかるかもしれない。わかるだけならいいが……。 |
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もしかしたら調査はさらにエスカレートするかもしれない。望まない質疑応答や検査まで求められる可能性も……。 |
ネオユニヴァース |
またしても“アルタイの断崖”……。ネオユニヴァースはどこへ……。 |
選択肢 |
こっちだ、ネオユニヴァース! |
ネオユニヴァース |
――? あなたは……。 |
選択肢 |
早く!! |
中堅トレーナーA |
あああ、どこへ!? ちょっと! ちょっと待って!! |
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あわててその場を抜け出す。とにかく安全なところへ……。 |
ネオユニヴァース |
あの……なぜ救助を……。 |
選択肢 |
君は悪い娘じゃないから! |
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正体はわからない。でも害をなす者でないなら、どうにか助けたい。それだけだった。 |
ゼンノロブロイ |
――? 今レースをしていたウマ娘は……。 |
ゼンノロブロイ |
まさか……ユニさん……? どうしてみんなに追いかけられて……? |